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March 24, 2005

敵対的買収に対する新株予約権の発行の基準

東京高裁は初めて、敵対的買収に対する経営支配権の維持・確保を主要な目的とした新株予約権発行が認められる基準を提示した。  基準は、1)経営に参加する意志がなく、株価をつり上げて高値で株式を会社関係者に引き取らせる目的の場合(いわゆるグリーンメイラー)、2)会社を一時的に支配し、知的財産、ノウハウ、秘密情報、主要取引先や顧客などを奪う目的の場合、3)会社支配後に、資産の流用を目的としている場合、4)会社を一時的に支配し、事業に関係していない不動産、有価証券などを処分し、一時的な高配当や株価の急上昇を狙い株式を売り抜けることが目的の場合―など、買収者が会社を食い物にしようとしている場合には、他の株主の利益が損なわれることが明らかなため、経営支配権の維持・確保を目的とした新株予約権発行は正当なものとして許されるとした。  また、ライブドアによるニッポン放送の経営支配が企業価値を毀損(きそん)するか否かについては、株主や株式市場の判断に委ねざる得ない事項で、司法手続きの中で、判断するに適しないものとの判断を下した。
(出典:Yahoo!ファイナンス[東京 23日 ロイター]2005年 3月23日(水) 19時4分 )(注:下線部著者)
東京高裁が敵対的買収に対する新株予約権発行の基準を提示したらしい。かなり面白い内容なのでじっくり考えていきたい。しかも下線部のように「経営支配権の維持・確保を目的」としたところがミソではないだろうか。ニッポン放送による新株予約券の発行は支配権の維持の目的と判断された。しかし今回提示された基準では、敵対的M&Aに対しては、経営権を保護すると言っている。とりあえずライブドアによる買収は、敵対的買収ではないと司法が判断されたことだけは間違いないようである。

とにかく今回の興味深いこの基準を簡単に整理してみよう。

敵対的M&Aに対する新株予約権発行の基準
1.グリーンメール
2.企業秘密や顧客情報目的の買収
3.資産流用目的
4.売り抜け目的の買収

第1に、グリーンメールから確認するべきだろう。

グリーン・メール(Green mail)

標的企業の株式を株式市場で買い集め、標的企業に買取りを持ちかけるものをいう。ブラックメール(脅迫状)を特に1ドル紙幣の緑色と連想づけて一般にグリーン・メール、買い集める者をグリーン・メーラーと呼んでいる。企業は乗っ取り屋を追い払うために、プレミアムをつけて自社株買戻しを行い、乗っ取り屋は利益を稼ぐ。乗っ取り屋は最後まで買収を行うことが目的であったと言うが、多くの場合、株式買戻しによるプレミアム稼ぎが本来の目的である。
(出典:M&A用語集)
グリーンメールとは、標的の企業の株を買い集め買収するぞと脅しをかけることにより標的の企業にプレミアムをつけて買い取らせることである。これでは株式市場がメチャクチャになってしまう。

第2に、企業秘密や顧客情報目的の買収に関してである。買収する際に企業はその企業の持つノウハウなどを目的とした買収がありうる。たとえば、加藤寛の公演で聞いたことがあるのだが、能登の輪島塗の技術を狙って伝統工芸関係の会社をNASAが買収していたらしい。輪島塗は宇宙でも剥げることのない塗り方なのだそうだ。このように技術のノウハウなどを目的とした買収がありうる。しかし「一時的に支配し」てノウハウを盗むだけ盗んで、またどこかに買収することが許されないらしい。なるほど、これを認めるとどうせ盗まれるならばと企業は開発努力などをしなくなるかもしれない。だが、これが新株予約権の発行の基準なのかと言われると微妙な気がしてならない…。

第3に、資産の流用を目的とした買収に関してである。これは当たり前な気がする。ただこれは買収防止の新株予約権発行であるの基準であるが、買収をする前から資産流用目的ですなどと宣言する企業があるとは思えない。また今回の基準の設定によって、今後はそんな馬鹿なことをあらかじめ宣言する企業は現れることもなくなるであろうが…。

第4に、売り抜け目的の買収に関してである。これが一番面白いと思う。今回ライブドアはこれに該当するのではないかなどと騒がれていた。だが、面白いのはそんなところではない。代表的な社名を挙げて考えていくのであれば、スティール・パートナーズ(以下、SP)である。SPはアメリカの投資ファンドでまさに「一時的な高配当や株価の急上昇を狙い株式を売り抜けること」を得意としたところです。うる覚えの記憶ではあるが、最近の例では、SPがソトーに大幅増配させたが、9月末にソトーの12.2%保有していたのに0.5%まで売り抜けたとんでもない連中である。以前『SAPIO』で明星食品を狙っていると記事があった。私たちの身近な企業にも迫ってきているのだ私は危機感を感じていた。しかし、今回の基準でこういった連中から身を守りやすくなったことが出来るのが何よりも大きいのではないだろうか。また現在SPなどに蝕まれつつある企業にとっても今回の基準は救いの手を差し伸べてくれるかもしれない…。

とりあえず日付も変わってしまったので、今日はココまでにしておくことにしよう。今日は大事な用が入っているので、今日は更新できないかもしれません…。
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