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March 27, 2005

MCI争奪戦

米長距離通信2位のMCIは23日、地域通信4位クエスト・コミュニケーションズとの間で身売り交渉を再開すると発表した。MCIを巡っては、地域通信最大手のベライゾン・コミュニケーションズが買収することで2月にいったん合意したが、敵対的買収に乗り出したクエストが今月16日にベライゾンを大幅に上回る条件を提示していた。

 クエストの提示額は84億5000万ドルと、ベライゾンとの合意額67億5000万ドルを25%上回る。ただ、MCI経営陣は収益力に勝るベライゾンへの身売りを進める意向で、クエストとの交渉を中断していた。主要株主の間でクエストを推す声が広がり、MCIは23日の取締役会で両社の提示条件を精査し直すことを決めた。

 クエストとMCIは今月28日を期限に交渉を再開する。その結果次第ではベライゾンが対抗して提示額を引き上げる可能性もある。

(出典:NIKKEI NET【ニューヨーク=篠原洋一】(13:02))
明日28日はMCI(旧ワールドコム)がクエストの買収案をどうするのかを決める日だ。MCIが身売り先を決定する日とも言える。これは現在ニッポン放送株争奪戦のときにときどき騒がれてM&Aの案件である。どうせMCI関連は明日のニュースか何かで説明してくれると思うが、私が簡単(適当)に説明しておきたい。

米長距離通信2位のMCIは身売りをするが、候補が2社ある。1社は地域通信最大手ベライゾン・コミュニケーションズ、もう1社は地域通信4位クエスト・コミュニケーションズである。ベライゾンの時価総額に対し、クエストはベライゾンの10分の1にも満たない。収益力でもベライゾンの方が上らしい。さらにクエストは債務残高が大きく、会計問題にも見舞われている。つまり、規模、収益力および信用力であまりに大きな差がある状況である。そのために、ベライゾンの取締役はベライゾンに買収されることを選んだ。しかし、これが問題となっている。
何故ならば、クエストは約80億ドルの買収案であるのに対して、ベライゾンの買収案は約68億ドルだからである。クエストはベライゾンよりも提示した金額に関しては大幅に上回るのである。そのために、MCIの筆頭株主のカルロス・スリム氏などが「ベライゾンの買収額が安すぎる」と怒った。そのためMCIはクエストともう一度交渉しており、その交渉を受けた判断が明日28日に行われるという状況である。
我ながら説明は全然簡単ではなかったかもしれないが、とりあえず以上のような状況にある。

またもう一つの問題を複雑化させているものがある。レブロン基準である。以前私のブログでも取り上げたので、それを用いて説明することとしたい。

レブロン基準
・「会社が自身の売却をいったん決めた場合、たとえ敵対的な相手であろうとも、取締役は最も高い価格を提示している買い手の買収策を受け入れなければならないというもの。」
・「企業側が身売りを決議している場合の特殊な基準」
(出典:Bloomberg.co.jp(ライブドアとフジテレビ攻防:先例「ユノカル」-新株予約権合法か(2) 更新日時 : 2005/03/03 09:45 JST ) )
レブロン基準とは、企業が身売りをしているときには取締役は最も高い価格を提示している買収案を受け入れろというものである。MCIのケースで言えば、MCIの取締役はクエストの買収案を受け入れるべきだということになる。レブロン基準によれば、企業の信用力、収益力や財務基盤ではなく、判断基準は買収額が多いか少ないかで判断すべきと述べている。株主の立場から見て、高く買ってもらえるに越したことはないということなのだろう。しかしあくまでもこれは短期的な視点であるように思う。ただ長期的な視点で見たときに株主にとってのメリットはどちらのほうが好ましいのだろうか?

前述のように、明日はMCIがベライゾンの買収案なのか、クエストの買収案なのかを判断する日である。私は相変わらずMCIはベライゾンを選択するように思う。またMCIの取締役がベライゾン案を飲んだ後が楽しくなりそうである。クエストとMCIの株主が訴訟を起こすかもしれないからだ。そのときに裁判所の判断はおそらくレブロン基準に沿ったものになるだろう。そうするとクエストの買収案を取らざるを得なくなる。

何か明日が楽しくなりそうではないだろうか?

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