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March 04, 2005

ニッポン放送とアメリカの諸判決(基準)

BSE(牛海綿状脳症)発生で停止中の米国産牛肉の輸入再開問題で、米政府が近く対日制裁も含めた対応策をとる可能性が出てきた。
(出典:Yahoo!ニュース(産経新聞) - 3月2日2時40分更新)
「タイヤなどの輸入制限案も出ている」そうであるが、アメリカの苛立ちっぷりがわかる記事だと思う。これを受けて親米政治家がすぐにでも屈しそうな気がする。国民全体の食生活とタイヤ業界はどっちが重要なんだとまでは言わないが、今回も外圧に弱い日本をさらしてしまうのであろうか。政治家で「むしろおまえらが全頭検査をやればいいじゃん」とか言ってくれる猛者はいないのだろうなぁ…。

アメリカは相変わらずわがままな国だと思うが、ニッポン放送<4660>の行方を見守るのに役立ちそうな資料が日本よりも豊富でもある。参考になりそうな事例として、ユノカル基準およびレブロン基準の件がよく挙げられる。これらの諸事例に関しては文章があまりにも長くなるのでそのうち紹介することとして、今回はその判決のみを紹介していくことにしたい。
また私は法律にまったく明るくないので、以下はBloombergの解説を引用してまとめてみたものである。

ユノカル基準 ・「買収の対象になった企業の取締役が、企業の戦略や価値にとってその買収が脅威になることを示したうえで、対抗策(防衛策)が脅威に対して相当(過不足なく適当)なものであることを証明する。この立証が成立すれば、今度は買収側がその取締役の注意義務違反や忠実義務違反を証明しなければならない。これができないと、取締役側の対抗策が有効とみなされる。」

レブロン基準
・「会社が自身の売却をいったん決めた場合、たとえ敵対的な相手であろうとも、取締役は最も高い価格を提示している買い手の買収策を受け入れなければならないというもの。」
・「企業側が身売りを決議している場合の特殊な基準」

(出典:Bloomberg.co.jp(ライブドアとフジテレビ攻防:先例「ユノカル」-新株予約権合法か(2) 更新日時 : 2005/03/03 09:45 JST ) )
4660-20050304.tここから本題に入っていくことにしたい。単純にレブロン基準に照らせば、ニッポン放送株はフジテレビ<4676>のTOB価格よりもライブドア<4753>の買収価格(主に市場価格)で取引されなければならないこととなる。左図のように、ニッポン放送株はTOB価格5950円を下回ってなどいないからだ。しかしレブロン基準の適用は「企業側が身売りを決議している場合」限定なようなので、今回は単純に考えればユノカル基準が適用されることとなる。そうすると、今回のニッポン放送の新株予約権発行の仮処分でフジテレビ側が勝っても、今度はユノカル基準に照らした裁判が行われるのだろうか…。フジテレビが勝ち続ければわかりやすいが、新株予約権が発行できない事態になるとまたわけがわからなくなりそうだ。何故ならば今度はそこに待っている舞台はプロキシーファイト(委任状闘争)となるだろうからだ…。ニッポン放送関連は論点があまりにもありすぎて、考えれば考えるだけわけがわからなくなる…。
前述のように私は法律に全然詳しくないので、今回は今後のシナリオを考えることはここでやめておいて、話を先に進めていきたい。
商法280条の10【発行の差止め】
会社が法令に若は定款に違反し又は著しく不公正なる方法に依りて株式を発行し之に因り株主が不利益を受くる虞ある場合に於いては其の株主は会社に対しその発行を止むべきことを請求することを得
新株予約権発行の仮処分に関しても、新株予約権発行の資金使途ももっと明確にしないと商法280条の10(発行の差止め)などに抵触する可能性もありうるようだ。ライブドアの買収理由も不明確と言われるが、私にはニッポン放送の資金使途のほうがよっぽど不明確であると思うのだが…。

また仮にユノカル基準に照らした裁判が行われるとなると、やはりニッポン放送がフジサンケイグループから離脱することのデメリットをどれほどのものかを立証しなければならないということになる。これのデメリットはフジがニッポン放送とは取引をしないことだと思うが、どのように立証してくるのだろうか。
今日は他にも変なニュースもあった。

「ニッポン放送社員一同名義によるライブドアの経営参画を反対する声明文が発表された」
(出典:Yahoo!ニュース[ 株式新聞ダイジェスト ] 提供:株式新聞社 2005年 3月 4日(金) 14時43分)
ライブドアがちょっと可愛そう思えるほどの嫌われようである。このように従業員の気持ちが離れていくこともフジテレビに有利な証拠となるのだろうか…。 まだライブドアが不利になりそうなニュースがある。
「ニッポン放送のフジテレビに対する新株予約権の発行差し止めの仮処分申請でライブドア側の主任弁護士を務めた猪木俊宏弁護士が「個人的な理由」で辞任した」
(出典:Yahoo!ニュース(テクノバーン) - 3月4日18時1分更新)
もうライブドアは本当にボコボコである。裁判官の心象を損ねるのは避けては通れまい。かなり微妙な判決になるのかと予想される。そこでまだライブドアはダウンはとられていないと思うが、TKO負けの可能性ぐらいは高くなったかもしれない。何せ主任弁護士が審尋中に「個人的な理由」で辞任するというおかしな事態なのだから…。

さて長文にもう疲れ果てた…。論点がありすぎてあまりにも文章もまとまらないので、もう今日はここまでにしたい。
私もアメリカのようにわがままな性格なものですから…。
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